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記事広告のメリット・デメリットと訴求力をアップする行動経済学【マーケティングコラム】

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「Sponsored」という表記が書かれた記事を見たことはありませんか?これは、記事と同じような体裁にもかかわらず、記事ではない「記事広告」というものです。ここ数年、Webメディアやニュースサイト、雑誌や新聞などで、取り入れられるようになりました。

今回は、記事広告のメリット・デメリットと、その訴求力をアップする行動経済学について見ていきましょう。

 

記事広告とは


記事広告は、有名な他社メディアに第三者目線で商品・サービスの紹介記事を配信することで、自社の認知度アップを狙った広告手法です。
このような記事広告には、通常の記事と区別が付くように「Sponsored」「広告」「PR」などが表記されています。

記事広告は「純広告」「ネイティブ広告」の一種で、「記事広」「記事体広告」「タイアップ広告」とも呼ばれます。

 

記事広告の特徴

記事広告の最大の特徴は、広告らしさを消していること。パッと目を引く広告デザインで勝負をするのではなく、読み物(記事)として消費者にアピールします。「どうすごいのか?」という企業からの宣伝ではなく、第三者の視点で書かれているため、告知に対する心理的ハードルが下がる傾向があります。それだけでなく記事を目にする消費者にとって、記事広告は共感や納得の読後感を与えやすいとも言われています。

例えば、第三者の視点で書かれたユーザー体験談やお役立ち情報。Webメディアやニュースサイト、雑誌や新聞などに溶け込む記事広告は、消費者が広告だと構えることなく、自然な流れで商品・サービスの良さに触れる効果が期待できます。特にキュレーションメディアは、文章を読み慣れている消費者がアクセスしていることもあり、記事広告との相性が良いでしょう。

 

記事広告の種類

・インタビュー
ユーザー体験談、知られざる開発秘話などのインタビュー形式の記事広告は、読み物としての完成度が高くなるため、
商品・サービスの訴求力が強くなります。

・サービスレビュー
最近では、消費者はレビューや口コミを参考にして、商品購入を決めるケースが増えています。良かった点だけではなく、悪かった点まで率直な感想が載っている記事広告は、企業への信用度が増すと言われています。いわれています。

・サービス紹介記事
第三者目線で購入後の「実際の使用感・満足感」を伝えるのが、サービス紹介記事。
商品・サービスを手にすることで、どんなベネフィットがあるかを記事広告で伝え、消費者の購入を後押しします。

 

記事広告のメリット・デメリット

 

 

記事広告のメリット

・理解を伴った認知を獲得
商品・サービスの全体像を伝えにくい「バナー広告」や「動画広告」とは異なり、読み物としてコンテンツが成り立つ記事広告は情報量が豊富です。商品・サービスのベネフィットをしっかりと届けることで、消費者に理解を深めてもらえるでしょう。

・掲載媒体の特性に沿った広告を展開
掲載メディアは、それぞれ特定のユーザー層に強みを持っています。例えば、敏感肌向けの化粧品をアピールしたいなら、30代女性のユーザー層に訴求できるメディアを出稿先に選びましょう。掲載メディアの特性に合った記事広告を展開すれば、潜在顧客への認知度アップにつながります。

・記事広告ひとつで文脈が完結 記事広告の特徴は、ある程度の時間をかけて記事を読んでもらえること。膨大な出稿費用かけて数秒~15秒のCM広告を流しても、商品・サービスの魅力は一部しか伝わらない可能性があります。しかし、読み物として完成度が高い記事広告ならば、消費者に対して商品のストーリーをじっくりと発信できます。

・長期的な安定流入
記事広告が掲載されるメディアは非常にドメインパワーが強く、外部から流入を増やすチャンスとなります。特に「SEO対策あり×期間設定なし」の記事広告の場合、検索からの流入が見込めるため、長期的かつ安定的なPV数が期待できるでしょう。

・掲載メディアの力を使える
記事広告で期待できるのは、掲載メディアから自社サイトへの流入です。記事広告を配信すれば、掲載メディアの持つ宣伝力を借りることになり、自社サイトのPV数アップが見込めるでしょう。なお、有名メディアの場合、記事広告の掲載自体が企業の信頼性を高めます。

 

記事広告のデメリット

・出稿費用が高額
記事広告の料金相場は、広告費の中でも出稿費用が高額です。影響力のあるメディアであるほど、出稿費用が上がります。有名メディアに記事広告を掲載できるのはメリットですが、思ったような効果が得られなかった場合は、多額の広告費がムダになってしまうかもしれません。

・掲載開始までに時間がかかる 記事広告は掲載開始までに、ある程度の時間がかかり、タイムリーな配信が難しいのがデメリットです。有名メディアの場合、配信は順番待ち状態です。記事を書くのは企業側ではなく、掲載メディア側が行うため、記事作成に時間がかかることもあるでしょう。

・記事作成の手間 「読み物」という特徴を持つ記事広告は、第三者目線で書くことが求められます。そのため、企業目線ではない第三者、外部のライターや編集者に執筆を依頼するケースも。記事広告で説得感が増すメリットはありますが、記事内容の打ち合わせや取材など、手間がかかる可能性があります。

 

記事広告が効果的なパターンは?

・競合との差別化が難しい商材・サービス
競合他社の商品と明らかな差別化が広告表現で難しい場合、消費者にとって「商品への信頼」や「ユーザー体験談」が購入の後押しになることもあります。
インタビュー記事や体験レポートなど、多角的な視点からの情報を「記事広告」として届けることで、消費者に好印象を与えることができるでしょう。

・魅力が伝わりづらい商材・サービス
新しい価値を持つような、消費者にとって馴染みのない商品・サービスは、断片的な情報のみの広告では、魅力が伝わりにくいのが現状です。記事広告により、ユーザー目線のレポートや専門家による説明文を載せることで、知名度を上げることができます。 ・ネガティブなイメージの商材・サービス
第三者目線から商品を紹介する記事広告は、ネガティブなイメージを持たれている商品・サービスの評判を回復させるのに有効です。
有名メディアに掲載されることで、信用度が上がります。また、リスティング広告やチラシ広告など既存の広告手段で広告の効率が落ちてきた場合、違った顧客層に向けたアピールに、記事広告を用いるのも一つの手でしょう。

 

記事広告をパワーアップさせる行動心理学

現在、購買意欲を刺激する「行動心理学」がさまざまな広告手法で活用されていますが、記事広告との相性は抜群です。記事広告のタイトルやキャッチコピーなどに行動心理学をどう活かせばいいのか、3つのテクニックをご紹介します。質の高い記事広告を作成するため、ライターへの依頼や原稿チェックの際、行動心理学の理論を念頭に置いておくと良いでしょう。

・カリギュラ効果
カリギュラ効果は、禁止されるほど衝動に駆られてしまう心理状態に着目した行動心理学。
「●●な人以外は見ないでください」と、ターゲットを限定したタイトルを用いることで、消費者に「私のことだ!」と訴求力を高めます。

・バンドワゴン効果
人は、世の中のトレンドや周りの評判に意思決定の影響を受けやすいもの。
この心理傾向に着目した行動心理学がバンドワゴン効果です。「当店人気No.1商品」「〇〇セレクション金賞」などをキャッチコピーに用いると、消費者にとっての安心感につながるでしょう。

・ウインザー効果
第三者から伝えられた意見を信頼しやすい心理傾向がウインザー効果。
企業からのおすすめではなく、第三者の専門家によるインタビュー記事、インフルエンサーによるレビューが、消費者の購買決定に影響を与えることがあります。「使ってみて●●だった」とネガティブな評価も隠さずに掲載すれば、信憑性が高まるでしょう。

 

まとめ

記事風コンテンツの記事広告は、広告らしくないけれど、効果が期待できる広告手段のひとつ。今回は「記事広告」のメリット・デメリット、「行動心理学を記事広告でどう活かすか」についてご紹介しました。今後、Webメディアやニュースサイトを開く際、記事広告にどんな工夫がされているか注目してみてください。

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