「自社のマーケティング戦略をより効果的なものにしたい」「マーケティング戦略の費用対効果を知りたい」と考える営業担当者は多いでしょう。マーケティング戦略の費用対効果を知るうえで有効なのがROIという指標です。
本記事では、ROIの計算式、活用方法をマーケティング分野と広告分野に分けて詳しく解説します。ROIの計算式で導いた結果をもとに、効果的なマーケティングを実践し、今後の売り上げ拡大に役立ててください。
ROIとは?
ROI(Return On Investment)とは、これまでに投資した資本に対して得られた利益の割合を判定するためのものです。日本語では「投資利益率」と呼ばれています。
ROIによって、今行っているマーケティング戦略にどのような効果があったのか、どのくらいの利益率だったのかなどがわかります。つまりROIを用いることで、企業の総合的な収益性が図れるのです。
ROIの計算式
ROIを求める計算式は以下の通りです。
ROI=(利益)÷(資本)×100(単位:%)
<例>
プロジェクトA:750万円投資、1,000万円の利益
ROI=1000万円 ÷ 750万円 × 100 ≒ 133
プロジェクトB:550万円投資、900万円の利益
ROI=900万円 ÷ 550万円 × 100 ≒ 163
ROIを比べることで、利益だけを見るとプロジェクトAの方が効果があるように見えるものの、実際はプロジェクトBの方が効果的であることがわかります。
マーケティングにおけるROIの活用
では、マーケティングにおけるROIの活用方法を紹介します。
マーケティングROIとは
マーケティングROIとは、マーケティング施策を並行していくつも実施し、投じた費用に対して効率的に利益を得られたかどうかを知るためのものです。「より効果のあるマーケティングを実施したい」というニーズに応え、判断をくだすための指標となります。
マーケティングROIの計算方法
マーケティングROIを求める計算式は以下の通りです。
マーケティングROI=(利益・効果)÷(マーケティング投資額)×100(単位:%)
<例>企業Aのマーケティング投資額とその効果
・マーケティング投資:200万円
・製造原価:300円/個
・販売価格:1,000円/個
・販売数:6,000個
・売上高:600万円
・販売費:50万円(一般管理費など)
マーケティングROI=売上高- 販売費)×100
上記の数字をあてはめると、600万円- )÷200万円×100=85
ここから、企業Aのマーケティング施策の費用対効果が85であることがわかります。
マーケティングROIの活用方法
マーケティング戦略上の活用法を比較する
メール配信・展示会出展・セミナーの開催など、実施しているマーケティング戦略を比較する際の指標として使いましょう。どの戦略が最も効果的なのかが一目でわかります。
利益目標達成に向けたマーケティング予算を算出できる
各マーケティング施策のROIを把握できれば、利益目標の設定のための投資額を算出できます。前年度のマーケティングROIを基にして、利益目標を達成するために必要なマーケティング予算額を算出し、提出することで、経営会議などで議論する際の資料となります。
製品別・地域別にマーケティング予算を配分できる
マーケティングROIを算出できれば、製品・地域に適したマーケティング予算を配分できます。関西と関東それぞれでマーケティング施策をとっている場合は、それぞれの地域ごと・戦略ごとにマーケティングROIを算出すると、媒体ごとの効果を関西・関東で確認できます。
例えば、関西ではTVCMの効果が大きいものの関東ではそこまででもないケースもあります。その場合は関東では他の戦略を練らなければいけません。
広告におけるROIの活用
さらに、広告におけるROIの活用方法を紹介します。
広告におけるROIとは
広告におけるROIは、広告の費用対効果を測る指標です。広告費用に対する利益の割合から、インターネット広告を利用した際の費用対効果や、商品の販売・問い合わせ・資料請求などにつながったかどうかがわかります。
なお、ROIを活用できるのはネット広告に限られます。ネットの中だけで完結する商売においては売れる要因が広告にしかないためです。
広告におけるROIの計算方法
広告におけるROIを求める計算式は以下の通りです。広告費用、そして広告から得られた利益の双方をもとに、広告の費用対効果を測っていきます。
広告におけるROI=(広告経由の利益)÷(広告費用)×100(単位:%)
<例>企業Aの広告費用とその効果
・広告費用:25万円
・広告経由の利益:50万円
・販売原価:10万円
広告におけるROI=(50万円–10万円)÷25万円×100=160
ここから、企業Aの広告の費用対効果が160であったことがあかります。
広告におけるROIの活用方法
費用効果の測定を重視する
インターネットの市場規模が拡大を続ける中で、WEB広告媒体とそれにかける予算は多様化しています。リスティング広告だけでなく、動画広告・ソーシャル広告といった手法ごとの広告効果を測定し、新たな戦略を建てる必要があります。
ROIと他の分析結果を併用し活用する
ROIの計算で得た分析結果をより効果的に活用するためには、ROAS、CPAといった指標を併用するとよいでしょう。
ROASとは
ROASは、広告費に対する売上の割合を示すものです。売上や利益を目標とする場合などに使用します。計算式は以下のようになります。
ROAS=(売上)÷(広告費)×100(単位:%)
CPAとは
CPAは、広告運用の成果を測るためのものです。資料請求や問い合わせなどを分析の指針にする場合などに使用します。
CPA=(広告費)÷(コンバージョン数)
まとめ
本記事では、ROI分析の基本からマーケティング・広告でROIを活用する際のポイントなどを解説しました。今なお広がりを見せつつあるネット広告においても、費用対効果を知ることは、自社の施策の改善に欠かせないものです。
しかし、「マーケティングの費用対効果向上にROIを使いたい」と考えても、なかなかその実践に至らないという方も多数おられるのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのが、クレディセゾンです。クレディセゾンには、高い専門性を持つスタッフクライアントのマーケティング戦略策定をサポートしていますので、お気軽にご相談いただければと思います。
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