保存

市場調査とは?市場調査の方法やマーケティングリサーチとの違いを解説!【マーケティングコラム】

クレディセゾンマーケティングソリューションTOP > コラム・セミナー > 市場調査とは?市場調査の方法やマーケティングリサーチとの違いを解説!【マーケティングコラム】
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

市場調査とはなんでしょうか。マーケティングリサーチと、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、市場調査の概要や、マーケティングリサーチとの違いなどを詳しく説明します。市場調査やマーケティング知識を身につけるための参考にしてみてください。

■市場調査とは?

市場調査とは、簡潔に言えばマーケティング戦略のために、現在の市場を数字で「見える化」することです。新しい製品を開発しようとするとき、まず考えなければいけないのはユーザー のニーズです。開発にも資金が必要な以上、決して自社の都合だけで開発するようなことはあってはいけません。

では、どんな生活をしていて、どんなニーズを持っている人がこの製品を買おうとするのでしょうか。予算はいくらくらいなのか、どれくらいの金額だったら買う気になるのか、どんな機能があれば喜ばれるのかを知り、商品やサービスを必要とするユーザーに確実にアプローチするために役に立つのが市場調査です。

近年、商品やサービスの差別化を図ることが難しくなってきており、より詳細なユーザーのニーズを知ることが求められるようになりました。ユーザーの生活も多様化してきており、ビッグデータと呼ばれる膨大で複雑なデータを活用することも市場調査の重要なポイントになってきています。

 

■市場調査とマーケティングリサーチ:その違いは?

市場調査と間違えやすい言葉に、「マーケティングリサーチ」があります。市場調査のことを別名「マーケットリサーチ」と呼ぶこともあるため、混同されやすいですが、厳密には似て非なるものです。

違いは大きく2つあります。ひとつめは対象となる時間軸の違いです。市場調査は調査対象を過去から現在までのデータとしている一方で、マーケティングリサーチはマーケティングの課題を解決するため、いわば将来を予測するデータを調査対象とし、これからの市場を知るためのものです。

もうひとつは、商品開発の目的が異なる点です。市場調査は商品の企画開発をする際、商品やサービスをより良くするために行う調査です。一方マーケティングリサーチは、広告や販促などのプロモーションに関わり、商品をより多く、高く売るために行う調査です 。 


■市場調査の目的とは?

pixta_40466582_S.jpg
市場調査は1908年にアメリカのフォード社が 、大々的に調査をおこなったことが発端といわれています。大量に生産したとき、いざ販売しても売れなかったとすると大きな損失になってしまうので、それを未然に防ぐのが市場調査の目的ともいえます。

市場調査をおこなうことで、直感ではなく明確な数字で、過去から現在の市場を理解することができます。誰が見ても明らかな具体的な数値をもとにすることで、ターゲットとするユーザー像を変えてみたり、価格を変更したり、販売経路を検討したり、といった幅広いマーケティング施策が可能となるのです。

 

市場調査の活用方法

市場調査は実際にどんな場面に活用できるのでしょうか。主に以下の3つの例があげられます。

1)価格戦略を検討するための価格に関する市場調査

2)ブランドイメージを把握する、ブランドイメージ調査

3)どんな広告や販促ツールでユーザーは買うのか?を知るための販促調査

ここで、それぞれについて詳しく説明します。

・価格調査

価格調査は、商品の価格を決定づける上で最も重要な調査です。この業界なら、どれくらいの価格なら売れるか、地域性はあるか、ターゲットの生活のレベルでこの価格は適正か、などです。価格調査をおこなうことで、適正な価格設定による売り上げ向上効果が見込めます。より多くのユーザーに購入したいと思わせるためには、商品の価値が価格に正しく反映されているかどうかもポイントになります。

・ブランドイメージ調査

自社のブランド戦略がユーザーに届いているか、もっと有望な市場が存在するかどうかを調べることが、ブランドイメージ調査です。具体的には、ユーザーが自社商品と競合商品に対してどのようなイメージを持っているかの調査をすることです。

・販促調査

広告やイベント、販売支援に何をおこなえば販売量が増えるか、ターゲットとなるユーザーが何をきっかけに購買行動に至るのかを調べるのが販促調査です。販促調査をおこなうことによって、どのような販促ツールがその商品やサービスにとって最も効果的かどうかを知ることができるます。

例えば、代表的な調査の一つに、広告のデザインやキャッチコピーを複数提示しどれが良いかを選んでもらうABテストなどがあります。近年は広告の種類もCM・紙媒体だけでなくネット広告なども増えており、ユーザーのし好を知るためには重要です。不特定多数に送るダイレクトメールやカタログも、販促調査によってよりパーソナライズされたものにシフトしていくなど、販促調査が広告媒体に与える影響はかなり大きくなってきています。

■市場調査の主な手法

pixta_46201204_S (1).jpg
市場調査には、大きくわけて2つの種類があります。以下で詳しく説明します。

定量調査

市場調査の最も代表的な手法といわれているのが、定量調査です。調査対象の「量(人数)」や「割合」を調べるので、「定量」調査と呼ばれています。例えば、特定の商品やサービスがどれくらいの人に知られているのか、といった認知度や、どの世代に一番使われていてどの世代には浸透していない、などの世代別利用率などを数値や表、グラフなどにして見てわかるようにします。

 

・メリット・デメリット

定量調査をおこなうメリットは、調査結果が数字として現れるため、誰にとってもわかりやすく説得力があることです。また、定型的な質問が多く、回答を比較的短期間で回収することができるので、より早く正確なデータをとれるのも強みです。

デメリットとしては、質問文や選択肢の設定によっては、正しい結果が得られないことです。特にアンケート調査の場合は、質問に対する回答しか得られず、その回答の背景などを知ることができない、といった点がデメリットになります。

 

具体的な手法は以下のとおりです。

・電話調査

調査する側が、調査する対象であるユーザーに対し、直接電話をかけてアンケートをとる方法です。

・FAX調査

ユーザーにアンケートの回答用紙をFAXで送付してもらう、アンケート調査です。近年はFAXを持つユーザーも少なくなってきているため、あまり使われなくなった方法です。

・購買データ調査

近年比較的主流になりつつあるのが購買データ調査です。ユーザーが購買した履歴からニーズやインサイトを調査することで、実店舗であれば実際の商品の売れ行きなどを在庫などから調査し、ネットショップであれば購買履歴などを利用して分析します。特にデータのとりやすいネットショップの利用が増えてきたことで、購買データ調査も形を変えて増え続けています。

・ネットリサーチ調査

上記の購買データ同様、こちらも現代、主流になってきている定量調査のひとつです。あらかじめ募集・登録しておいたモニター会員やパネルと呼ばれるアンケート回答者にアンケートを配信し、web上で回答してもらう手法です。低コストでより多くのデータを得られることから、定着しつつあります。

定性調査

例えば、ある商品に対して利用率が高い原因を探ったり、ユーザーは何が気に入っているのか?というような理由や要因をより深く知るために、1対1や数名のグループで、比較的少人数で行うのが定性調査です。定量調査と大きく異なるのは、数字で測ることのできない、ユーザーの意見や行動を知ることができる点です。

・メリット・デメリット

一人ひとりのユーザーの意見を深く知ることができます。質問の仕方によっては、ユーザー自身も気づいていないような、インサイトを得ることもできます。企業にとっても、自社とは異なる視点を得ることができるので、新しい発想につながることもあります。

デメリットは、データの元となる回答の幅が広く、統計的なデータにしにくいことや、会場やインタビュー候補者の選定などで手間とコストがかかる点があげられます。

具体的な手法は、以下のような手法になります。

・インタビュー調査

その名の通り、調査対象となるユーザーにダイレクトに聞く形式です。対面でじっくりと意見を聞く「インデプスインタビュー」や、複数に対しておこなう「グループインタビュー」などがあげられます。また、グループインタビューと呼ばれる中には、座談会や面接形式でおこなわれる「フォーカスグループインタビュー調査」と呼ばれるものも含まれます。

・行動観察調査

オブザベーションともいわれる手法で、客観的にユーザーの行動を細かく観察し、行動の法則や行動の元となる心理を推測し、調査する方法です。

・ミステリーショッパー

覆面調査、モニター調査とも呼ばれます。調査員が客として該当店舗に行き、店舗スタッフに気づかれないように実際に購買行動をおこないながら店舗の現状をチェックする調査のことです。

・ソーシャルエスノグラフィー調査

近年主流になりつつあるのが、ソーシャルエスノグラフィー調査です。SNSなどのクチコミから情報を得るユーザーが増えていることを背景に、そのクチコミに至った背景などを探る調査で、より深くユーザーの生活に即したデータをとることができます

■市場調査を行う際のポイント

市場調査のメリットは、商品やサービスをより効果的に売ったり展開するためのデータをとることができる、という点にあります。一方で、実施するうえで気を付けておきたいポイントもあります。主な4つを説明します。

調査の目的を考える

まず、どのような目的で、どのようなデータをとりたいのか、を明確にしておくことが大切です。ユーザーの属性や、市場の具体的な数値を知りたいというときは定量調査、ユーザーがどんなことを望んでいるか、といったイメージの部分を知りたいときには定性調査、と目的によっても適切な手段が変わってくるので、きちんと決めておくようにしましょう。

有効な質問項目を考える

質問や設問の設定によっては正確なデータが得られなくなることがあります。特に、調査側の欲しい回答を誘導してしまうような質問になっていたり、選択肢の幅が狭く、一定の回答に偏ってしまう、ということには注意が必要です。性別・世代によっても質問の内容や回答の幅が異なるので、自分一人で考えず、様々な人の意見も参考にしましょう。

対象者の数を絞る

調査の対象者はきちんと選ぶ必要があります。対象者が多すぎても、調査に時間がかかりますし、年齢や性別などを考えず、あまりに広範囲に対象者を求めてしまっては、きちんとしたデータが得にくくなります。

外部の手を借りる

市場調査という分野は、人間を相手にしているだけに、不確定要素も多い分野です。調査方法について知識を深めたとしても、ある程度の経験がないと欲しい結果を得ることが難しいことも多いです。市場調査を代行してくれる会社も多く存在するので、最初はプロの力を借りることも一つの方法です。


■まとめ

市場調査とは、よりユーザーを知るためのデータを集めることです。どのようなデータを得たいのか、手法についても目的によって使い分けることが大切です。最初はなかなか欲しい結果を得られなかったり、思い通りに行かないこともあるでしょう。そんな時は、まず市場調査を専門とするプロの力を借りることもおすすめです。

プロの力を借りるときにおすすめなのが、クレディセゾンの「eMark+」です。

「eMark+」では、セグメント化された2600万人ものカード会員というマーケットを活用した市場調査が行えます。

クレディセゾンの「eMark+」で、ビッグデータを自社の事業に活かしてみませんか?

eMark+への登録はこちら

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加