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消費行動を予測できる?デジタルマーケティングに活用したい行動心理学・行動経済学【マーケティングコラム】

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1990年頃から台頭した、Webサイトのアクセス分析やリスティング広告などの「Webマーケティング」。現在は、複数のチャネルからデータを獲得する「デジタルマーケティング」へと進化しています。
今回は、デジタルマーケティングでも活用できる「行動心理学・行動経済学」の特徴や活用例をご紹介します。この記事を参考に、ユーザー心理をつかんでください。

 

デジタルマーケティングとは?


インターネットやスマートフォンが普及した今、デジタル機器やデジタル技術を活用したマーケティングが目立つようになりました。これを「デジタルマーケティング」と呼びます。
Webサイト・メール・アプリ・IoTデバイスなど、デジタルマーケティングではさまざまなチャネルを活用してユーザーへアプローチしていきます。なお、Webマーケティングは、デジタルマーケティングの一種として定義されています。

 

デジタルマーケティングの特徴と効果

デジタルマーケティングの特徴は、スマートフォン・タブレット・ブラウザ・アプリ・SNSプラットフォーム・IoTデバイス・デジタル会員のポイントなど、扱う範囲の広さです。Webサイトに限らず、幅広いチャネルを活用して、デジタルマーケティングは行われます。

例えば、地図アプリを通じたユーザーの行動履歴や位置情報、SNSプラットホームを通じた利用履歴など、多くのチャネルからデータを収集。獲得されたデータは、効果的な販売促進や商品開発などに役立てられます。消費者との接点が多様化している近年、「複数のチャネルで消費者との接触機会を増やせる」「デジタルデータを蓄積できる」「ニーズがより細かく把握できる」などが、デジタルマーケティングで期待できる効果です。

 

デジタルマーケティングが注目される理由

・消費行動の変化とデジタルテクノロジーの進化
インターネットやスマートフォンの登場で、消費行動は一変しました。例えば、何かを買う際、店頭で商品を見て購入を決めるだけではなく、口コミやSNSで評判や価格を検索するなど、ユーザーの行動は多様化しています。AIやIoTといったデジタルテクノロジーの進化によっても従来のマーケティング手法が見直されているため、デジタルマーケティングが注目されるのは当然といえるでしょう。

・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、新たなデジタル技術によってビジネスモデルを根本的に変革すること。2004年、エリック・ストルターマン教授によって提唱され、経済産業省でも推進している取り組みです。クレディセゾンもDXを全社で推進し、ビジネスモデルの変革に取り組んでいる他、大手インターネット通販会社や金融機関などでもDXを導入しています。
このようなDX推進の中でも、多くの消費者がデジタルの世界で消費行動を行うようになったことから、マーケティングのDXは各社の重要事項のひとつとなっています。

 

デジタルマーケティングとWebマーケティング

Webサイトの作成、SEO(検索エンジン最適化)、Web広告などが、「Webマーケティング」に該当します。このようなWebサイト上で行う「Webマーケティング」に対して、デジタルマーケティングとは包括的な概念です。デジタルマーケティングは、Webサイトを通じて行われるWebマーケティングに留まらず、スマートフォン・タブレット・ブラウザ・アプリ・SNSプラットフォームなど幅広い領域で施策を行ないます。

 

デジタルマーケティングに活かせる行動心理学・経済学


消費者の行動に影響を与える「行動心理学・行動経済学」は、デジタルマーケティングの中でも活用されています。下記では、Webマーケティングをメインに、デジタルマーケティングでの活用例を見ていきましょう。

 

【行動経済学】アンカリング効果

・アンカリング効果とは
アンカリング効果とは、事前情報が目安となり、その後の意思決定に影響が出る心理状態のこと。最初に見た価格(アンカー)が頭に残り、割引後の価格が安いという印象を与えます。十分な情報がない場合、断片的な情報が無意識の内に認知を歪める傾向にあるのです。

・活用のポイント
Web広告やメールマーケティングのほか、サイトのファーストビューで「○○%OFF」の表記があると、消費者の目を引くでしょう。ただし、オリジナル価格を偽って割引後の価格と表示することは、景品表示法違反になるので注意が必要です。また、長期間にわたるアンカリングは、値下げが当たり前になって効果が薄れます。

・活用例
ネットショッピングで「通常1万円の商品が、月末まで5,000円で購入できる」という表示があったとします。相場や通常価格などを知らない消費者にとって、「50%OFF」という割引率が魅力的で購買意欲を刺激することでしょう。アンカリング効果は、Webマーケティングに限らず、デジタルサイネージなどデジタルマーケティングに幅広く利用できます。

 

【行動心理学】ザイオンス効果

・ザイオンス効果とは
ザイオンス効果とは、同じ人や物に何度も接触することで、好感度が増していく効果のこと。別名「単純接触効果」とも呼ばれます。

・活用のポイント
ザイオンス効果をデジタルマーケティングに活用する際は「さりげなさ」を意識しましょう。接触頻度が多すぎると、嫌悪感を持たれる可能性があります。また、最初から嫌悪感を抱いている消費者には残念ながら効果が見込めません。

・活用例
飲料メーカーが季節を感じさせる風景と飲み物の写真などをSNSに定期的に投稿。消費者との接触回数が増えることで、企業の好感度が上がります。

 

【行動心理学】返報性の理論

・返報性の理論とは
優しくしてもらった他人に対して、「お返しをしなくてはならない」と思う心理現象が「返報性の理論」です。


・活用のポイント
大切なのは、相手より先に「ギブ」を与えるということ。Web広告やダイレクトメールでクーポン配布などを行うと、消費者に特別感を与えられます。しかし、場合によっては、消費者に罪悪感を覚えさせることもあるので、使いすぎに注意しましょう。また、「返報性の理論」を使うときは、見返りを求めないようにも気をつけてください。

・活用例
SNSの活用は、デジタルマーケティングに欠かせません。TwitterなどSNSでは、消費者は「いいね」をされると「いいね」を返したくなります。「いいね」以外にも、企業側からコメントをしたり、フォローをしたりなど、企業から消費者にギブを与えることで、アカウントのフォロワーを増やすことにもつながります。

 

【行動心理学】ディドロ効果

・ディドロ効果とは
ディドロ効果とは、気に入ったモノに対して「同じシリーズで揃えたい!」という心理状態になること。
一貫性の法則が働いて、購買意欲が高まります。

・活用のポイント
ディドロ効果を使うには、商品を効果的にアピールするためにストーリー性を持たせたり、シリーズ化をしたりなど、コレクション要素が必要です。
キャンペーンで初回購入のハードルを下げるなどの仕掛けも有効でしょう。

・活用例
スマホゲームで例を挙げると、複数のキャラクターやアイテムが登場することで、課金意欲が刺激されます。シリーズのアイテムを1つプレゼントするのも、課金を促すのに良いでしょう。ゲーム内でお気に入りのアバターを作成できたり、マイルームを作成できたりするのもディドロ効果を促します。

 

【行動心理学】マッチングリスク意識

・マッチングリスク意識とは
商品・サービスに自分が満足できるかを考えて、購入をためらってしまう心理状態を「マッチングリスク意識」と呼びます。


・活用のポイント
高額商品だけではなく、少額商品でも同じような不安が起こります。ですが、やはり高額商品の方が意識は高くなる傾向に。特にネットショッピングでは、実際に商品を吟味できません。人のリスクを避けたがる習性を踏まえ、デジタルマーケティングの施策を考えるようにしましょう。

・活用例
よく見かけるのは、「初月無料」「配送料無料」「返品可能」など。料金が発生しない安心感を消費者に抱かせて、利用の不安を払しょくしましょう。実際に利用中のお客さまの声をレビューとして掲載するのも安心感を生みます。

 

【行動経済学】サンクコスト効果(埋没費用)

・サンクコスト効果とは
今まで使ったお金や労力(埋没費用)に気を取られて、合理的な判断ができない心理効果をサンクコスト効果と呼びます。


・活用のポイント
たとえ少々の損が消費者にあったとしても、「もったいない」という気持ちを刺激すれば、消費活動を促進できます。ただし、サービスを継続するメリットは提示するようにしましょう。

・活用例
デジタルマーケティングで見られるのは「会員のランク付け」です。
継続期間や購入額で高いランクのポジションを手に入れている場合、「ゴールド会員を続けなきゃ」という心理が働き、サービスを継続して利用するようになります。

 

まとめ

心理効果を押さえれば、効果的なデジタルマーケティングにつながります。今回、ご紹介した行動心理学・行動経済学のテクニックを消費行動につながるために、ぜひデジタルマーケティング施策で活用いただく参考にしてください。

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