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【2021年最新版】成長著しいデジタル広告。新たに追加された規制と対策【マーケティングコラム】

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今や若年層だけでなく、全世代を通じて利用しているインターネット。利便性と拡散性の高さに長けているだけでなく、ウェブ広告のほか動画配信サービスやSNSまで様々なデジタル広告の種類があります。

2019年にはマス広告を追い抜き、広告業界で最大の市場規模となったデジタル広告。企業のデジタルシフトや消費行動の変化の影響で、その市場規模は右肩上がりの成長を続けています。

市場規模の拡大に伴って、より信頼性の高い市場であることが求められると同時に、プライバシーを保護するためさまざまな規制強化が進められています。

この記事では、直近(2021年4月現在)で追加されたデジタル広告に関する規制やトレンドとは何か?また、追加された規制に対応するにはどのような対処方法が必要か?デジタル広告の今について詳しく解説します。

 

インターネットのマス化によってデジタル広告は順調に成長する


2019年にデジタル広告はCMの市場規模を抜き、新しい時代の“マス”と呼ばれるようになりました。2021年現在、その差をさらに大きく広げ続けている状況です。その背景には以下のような要因があると考えられます。

・新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費の主戦場がリアルからネットに
・顧客・企業のデジタルシフトが加速したことによって、デジタル広告の成長は今後も続く見通し

コロナ禍によってニューノーマルと呼ばれる時代に突入し、消費の場がリアルからデジタルに急加速したことで、デジタル広告の新しい時代のマスの地位を確立したと言えます。しかし急激な成長に伴い、利用者のデジタル広告に対する意識も変化してきたことで、今後は法規制や媒体規制の強化が予想されています。デジタル広告に関わる方々には、ターゲティング広告に対する法規制や媒体規制への対応が求められます。

 

法規制・媒体規制が強化!2021年デジタル広告のトレンドは?


今後予想されているデジタル広告の動向としては以下の4つが予想されています。それぞれについて解説します。

 

1)データプライバシーや独占禁止法に関する規制当局からのプレッシャーが強化される

データプライバシーや独占禁止法に関する規制当局(欧州委員会など)のプレッシャーが強くなっています。この影響を受けるのはGoogleなどの広告を掲載するプラットフォームを運営する企業です。Googleは、これまでWeb上の行動データをトラッキングし、行動データに基づいたターゲティング広告の構築・拡大に関わってきました。

今回の規制当局からのプレッシャーを受けて、GoogleはWebを閲覧する個人のトラッキングに関わる開発をしないことを明言しています。今後、行動データに基づくターゲティング広告に大きな規制が入ることは想定しやすいでしょう。法規制の強化によって影響を受けるのは、Google・Yahoo!・Appleなどの巨大なプラットフォーマーです。

 

2)求められるクリーンな広告

デジタル広告の急成長によって、ネットは以前のテレビに打って変わり、マスと呼ばれる媒体へと進化しました。閲覧者が膨大になったことで、苦情が急増しています。2020年12月に日本広告審査機構から発表されたデータによると、2020年上半期の広告に対する「苦情(意見も含む)」が、前年比136.6%に増加したとされています。

特筆すべきは「広告審査機構で違法性がある」と判断されたデジタル広告は苦情件数全体の約0.4%と非常に少ないことです。違法性がないにも関わらず苦情が増加しているということは、「閲覧者のデジタル広告を見る目」が以前よりも厳しくなっている可能性があります。違法性はなくとも苦情が集まる広告の出稿には制限がかかる可能性があります。いかに閲覧者に不快と感じさせない広告を制作・運用するかという視点や高いモラル意識が、今後のデジタル広告では重要視されると考えられています。

 

3) 従来型のアドネットワークから新しい媒体、ツールへのシフトの可能性

Google・Apple・Yahoo!などの大手広告プラットフォームの規制強化によって、閲覧者の行動データに制限がかかります。これにより、従来型のアドネットワークによるターゲティング広告が機能しなくなる可能性があります。

今後は、Cookieなどを必要としない検索広告やプラットフォーマーが自社保有する媒体のみ出稿するファインド広告に移行し、アドネットワークが終焉する可能性も指摘されています。また。大手新聞会社は、自社で保有するニュースサイトへの広告掲載を、Googleなどのプラットフォーマーを介さずに依頼できる仕組みを開発。ニューヨークタイムズが、この仕組みを開発・展開しており、今後はその流れが加速する可能性もあります。

 

4)YouTube動画広告が伸びる

2020年のコロナ禍でYouTubeなどの動画視聴機会が激増、YouTubeで活動するユーチューバーはテレビタレント並みの知名度を持つようになりました。また、テレビタレントもYouTubeに流入したことで、YouTubeの媒体価値が格段に向上しています。
また、Googleが動画広告によるコンバージョンを改善する施策を行い、認知向上とコンバージョンの両方を得られる広告媒体となったことから、2021年以降もYouTubeの動画広告は成長し続けるとされています。

上記の4つのポイントの中でも、デジタル広告に携わっている方が特に意識しなければならないのは、法規制・媒体規制の強化に関する項目です。今後強化される規制に対して対応するには、どのような対策が考えられるのでしょうか?

 

Google・Yahoo!のデジタル広告で追加された規制とその対策


では、強化される規制に関して、GoogleとYahoo!広告の2つにどのような規制が敷かれ、それに対してどのような対策が考えられるのかをご紹介します。

 

Googleに追加された規制

Google広告に追加された規制としては以下の点があげられます。

・サードパーティクッキーの制限について
2020年1月に「Googleがサードパーティクッキーのサポートを終了」というニュースがリリースされました。終了時期は明言されていませんが、2022年までに段階的に廃止する予定とされています。サードパーティクッキーとは、ユーザーが閲覧しているWebサイトを追跡できる機能で、解析ツール・広告のCVトラッキング・広告のターゲティングなどに活用されていました。サードパーティクッキーに制限がかかると、解析ツール・広告のCVトラッキング・広告のターゲティングが利用不能になり、デジタル広告に多大な影響を及ぼします。

・デバイスフィンガープリントの制限について
デバイスフィンガープリントとは、オンライン上のユーザーのトラッキング機能のひとつです。この機能はGoogleが開発したものではなく、第三者がユーザーをトラッキングするための機能として発展してきたものです。Googleは、ユーザーをトラッキングする技術が蔓延するのを予防するために、デバイスフィンガープリントの制限強化も発表しています。サードパーティクッキーの制限に加え、代替技術も制限に加えることで、今後オンライン上のユーザーの追跡はより困難になると見込まれています。

・ターゲティング広告の制限について
ターゲティング広告とは、ユーザーの閲覧履歴を参考に広告の配信対象を決めるデジタル広告の手法です。この手法は、上述したサードパーティクッキーなどのユーザートラッキング機能によって支えられていました。法規制・媒体規制のプレッシャーにより、Googleがサードパーティクッキーを含む、ユーザートラッキングに制限を設けたことから、今後ターゲティング広告という手法自体が消滅する可能性があります。

 

Googleに追加された規制への対処方法

サードパーティクッキーやデバイスフィンガープリントの規制によって、ターゲティング広告の活用に制限がかかることは間違いありません。新しい規制への対処方法としては以下の点があげられます。

・サードパーティクッキーの代替案を模索する
現在世界中で、サードパーティクッキーに代わる代替技術の構築が進められています。ファーストパーティデータを活用した方法やユーザーのメールアドレスを利用した方法など、さまざまな代替技術がすでに実装されています。ただし、代替技術の正確性や安全性に関してはしっかりと検証する必要があります。

・新しい広告エコシステム「プライバシーサンドボックス」の完成を待つ
Googleはサードパーティクッキーの終了後、ユーザーのプライバシーを考慮した新しい広告エコシステム「プライバシーサンドボックス」のリリースを決めています。現在開発が進んでおり、いち早く「プライバシーサンドボックス」を活用した広告配信のノウハウを得ることで、サードパーティクッキーの終了に備えることができるはずです。このシステムによって、ユーザーのプライバシーを侵害しないターゲティング広告が可能になると考えられていますが、完成までの時間や内容が不透明なのが現時点では難点です。

 

Yahoo!広告に追加された規制

Yahoo!広告で追加された制限に関しては以下の5つがあげられます。

1)表現に違反のあった商品は広告掲載できなくなる場合も
広告審査で「重大な違反表現」と認定された場合、該当広告内で訴求された商品は広告掲載ができなくなります。一度違反だと認定されると、表現を訂正しても以後、広告掲載ができなくなります。重大な違反表現とされるものは「明らかな虚偽、誇大広告」「重大な健康被害の恐れがあるもの」の2つです。また、Yahoo!広告審査基準に違反する表現を使用した場合にも違反認定される可能性が高く、配信には最新の注意を払う必要があります。

2)新型コロナウイルスに関連する広告の規制を強化
2020年の4月以降、Yahoo!では新型コロナウイルスに関連する広告にも規制を設けています。規制対象としては「予防・治療できるような誤解を与えるもの」「感染拡大を利用し利益を得ようとするもの」「過度に不安感、恐怖感を与えるもの」「行政により転売が規制された商品を転売するもの」などがあげられます。

3)コンプレックスに関する広告の規制を強化
2020年の9月以降、Yahoo!広告は外見のコンプレックスを露骨に表現した広告に規制を設けました。例としては「体毛に関する露骨な表現」「肥満に関する露骨な表現」などが挙げられます。「身体的特徴をコンプレックスだと断定して表現することは、差別意識を助長する恐れがある」のが規制強化の理由です。ヘルスケア・ビューティー関連の広告配信には十分に注意する必要があります。

4)健康食品等の「定期購入」の通信販売の広告の強化
独立行政法人国民生活センターによると、定期購入を前提とした通信販売の被害が増加傾向にあり、消費者に対しての注意喚起が行われていました。このような現状を受けて、Yahoo!は2020年に定期購入の条件がわかりにくい広告に対する審査を強化しました。定期購入を訴求する広告の配信には十分に注意しましょう。

5)DoubleVerify(ダブルベリファイ)のリアルタイム不正解析機能の導入
DoubleVerifyは、インターネット広告取引で発生するトラフィックの品質や掲載先の品質などの解析サービスです。Yahoo!は、DoubleVerifyとの契約を締結し、2021年春に市場への展開を予定。リアルタイム配信制御システムによって、広告リクエストが発生する瞬間に不正有無を判定。広告配信の課題となっていた、「機械による不正なインプレッションやクリック(アドフラウド)」や「不適切なページやコンテンツへの広告表示(ブランドセーフティ)」の対処が可能となり、広告配信の安全性が強化されます。

 

Yahoo!広告に追加された規制への対処方法

2020年以降新たに追加された広告規制への対処には、規制内容をしっかりと把握したうえで広告を配信するということに尽きます。Yahoo!は、広告審査のガイドラインを随時更新しており、最新版の内容をいち早く確認することによって、審査基準への抵触を未然に防ぐことが可能です。広告配信する業種に関しての審査基準は特に細かくチェックするようにしましょう。

▶Yahoo!広告に追加された規制についての詳細はこちらをご確認ください
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/largecategory?lan=ja&cid=1696&o=default

 

今後も進むデジタル広告のクリーン化。業界の最新情報を注視しよう

成長著しいデジタル広告ですが、市場規模の拡大に合わせて個人情報の保護や公平性がさらに求められます。この業界は2021年以降も激変が予想されているため、デジタル広告に携わる方々は最新の情報を注視し、規制強化やガイドラインの変更に素早く対応できるように準備しましょう。

規制強化やガイドラインの変更に対応するためには、新しい広告手法を取り入れる必要があります。コンテキストターゲティングや「事実データ」の広告活用など、規制強化に対応できる手法も存在し、ターゲティング広告の代替策として実践する企業も少なくありません。

SAISONターゲティング広告は、約2,700万人のクレジットカード会員の属性情報及び利用情報を活用したメール広告です。「事実データ」を基にした広告手法であるため、規制強化の影響を受けることなく実施でき、コンテキストターゲティングにも対応しています。SAISONターゲティング広告の詳細について詳しく知りたいという方はこちらをご確認ください。

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