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巣ごもり需要による消費動向の変化!アフターコロナの消費動向も解説!【マーケティングコラム】

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新型コロナウイルスの影響により、外出の自粛を余儀なくされるなど私たちのライフスタイルは短期間で大きく変化しました。ライフスタイルの変化は同時に消費にも大きな影響を与えており、製品やサービスの提供元である数多くの企業は、巣ごもり需要化における消費や環境の変化を正しくとらえ対応していくことが求められています。

クレジットカード会社である当社では、「セゾンカード」「UCカード」のショッピング取扱高を使用することにより、クレジットカードの利用店舗・利用金額単位で生活者の消費の変化をとらえることができます。今回の記事では、ショッピング取扱高を使用することにより、新型コロナウイルスの影響による生活者のライフスタイルの変化を読み取りお伝えいたします。

コロナ禍の影響で「消費動向」が変化

2020年4月に緊急事態宣言が発令され、人々は外出の自粛を余儀なくされました。行動制限を伴う自粛生活は生活者の興味・関心に影響を与えるとともに、消費動向に変化を引き起こしています。

図1は当社発行の「セゾンカード」「UCカード」のショッピング取扱高において、2020年1月~9月を前年同月で比較したものです。

 

緊急事態宣言が発令された4月を中心に前年を大きく下回っています。一方で緊急事態宣言が解除された6月以降については、前年と同等もしくはそれ以上と前年並みまで回復していることがわかります。

図1からは消費全体が落ち込んだことが読み取れますが、業界やジャンル別に細分化していくことにより、どのジャンルがプラス・マイナスの影響を受けたのかなどコロナ禍の消費動向をより明確にできるはずです。次の項目では、図1をさらに細分化し、新型コロナウイルスがどのようなジャンルに影響を及ぼしたのかをお伝えいたします。

 

コロナ禍がプラスとマイナスに作用したもの

図2は、新型コロナウイルスの影響を最も被った(=ショッピング取扱高が最も大きく前年比割れを起こした)4月に焦点をあて、前年同月の取扱高を比較したものです。その中で最も割合が大きかったジャンルを順に並べました。




プラスの影響をうけたものは、「出前」「ファストフード」「生協」「食料品」などで、中食や内食需要の高まりに対応可能なジャンルが伸長しています。また、テレワークの推進や自粛に伴う居住環境の充実化を図るなどの需要が高くなったことからか「コンピュータ」や「ホームケア」が大きく伸びています。コロナ禍の影響で新たに「巣ごもり需要」という消費動向が高まる結果となっています。

一方、マイナスに作用したものでは、「航空」「旅行代理店」「テーマパーク」など外出を必須とした娯楽中心のサービス業が影響を受けており、これら3ジャンルに限ってはクレジットカードの返金処理が重なり、値がマイナスに振れています。生活者は、外出先での娯楽目的の消費を控え、自宅環境の充実化を目的とした製品やサービス需要を生むなど、消費動向に変化があったことが分かります。

次の項目では、新型コロナウイルスの影響が業界単位で計測できるのか否かを「飲食業界」「輸送業界」の2業界を例に調査します。

 

コロナ禍がプラスに作用したもの

4月時点で最もプラスの影響を受けたとされる「出前」ジャンルをより広義にとらえると「飲食業界」に分類されます。この飲食業界を当社独自の分類により8ジャンルに細分化したものが図3になります。

「出前」「ファストフード」の2ジャンルにおいては前年比200%超と大きく上回っていますが、「ファミレス」や「カフェ」「居酒屋・バー」などは大きく前年割れするなど、プラスの影響を受けているのは飲食業界のうち2ジャンルのみであったことがわかります。これらの結果からも、中食や内食など安全に食事を楽しめる「巣ごもり需要」へ消費動向へと変化したことが推察されます。




コロナ禍がマイナスに作用したもの

4月時点で最もマイナスの影響を受けたとされる「航空」ジャンルをより広義にとらえると「輸送業界」に分類されます。この輸送業界を当社独自の分類により9ジャンルに細分化したものが図4になります。プラスに影響した飲食業界にばらつきが大きかった一方、「航空」を含む「輸送業界」では「バス」「船」「鉄道」など軒並み公共交通機関がマイナスの影響を受けています。一部、「駐車場」などが伸長していることから公共交通機関の使用からマイカーなどの移動手段へ変化したことが読み取れますが、新型コロナウイルスの感染可能性が高い移動手段は軒並み、消費が落ち込んでいることがわかります。




図2~4では、2020年4月時点を切り取り傾向を示してきましたが、2021年1月、2度目の緊急事態宣言が発令されました。政府は7割のリモート勤務を推奨しており、「巣ごもり需要」も第二の波が予想されます。今後も同じ傾向が続くとは限りませんが、絶えず変化し続けるマーケットの状況を正しくとらえていくことが重要となります。

次の項目では、変化をとらえるべく図2でご紹介したいくつかのジャンルに絞り込み4月以降の取扱高の変化を明らかにしました。

 

消費動向の変化をとらえる

図5・6は、4月時点で最もプラス・マイナスの影響を受けたとされる上位5ジャンルに絞り込み2020年4月~9月まで前年比を追ったものです。
図5をみると、緊急事態宣言が解除された6月以降においても全ジャンルで前年比超を維持しており停滞や急速な減少は読み取れません。ただし、製品ライフサイクルが長い「コンピュータ」においては、緊急事態宣言の発令後約1か月で購入する層が最も増え、その後減少傾向にあることがわかります。



一方で図6をみると、「骨董・絵画」を除き前年比割れの状態が続いていることがわかります。前年と同水準への回復はなされてはいないものの、右肩上がりに回復傾向であることは読み取ることができます。



まとめ

今回の記事ではクレジットカードの取扱高からみることができる消費動向の変化をお伝えいたしました。生活者の消費は常に変化しており、変化を適切にとらえることが生活者へ製品やサービスを提供する企業にとって重要なのではないでしょうか。
冒頭でお伝えしたように当社のデータはクレジットカードの利用店舗と利用金額を基準とした企業分析を可能としています。さらには、コロナ禍において購入を控えるようになってしまった顧客を分析することにより、顧客再獲得手法の検討へもお役立ていただけるようなご提案も可能です。ぜひ、一度お問い合わせください。

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